生きているのが幸い

さいわいです

2024年4月14日(日) ピクニック日和

今日は家族でピクニックでした。


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レジャーシートに寝転んで見た景色

ピクニックの発案者は息子。いつも遊んでいる近所の大きな公園で、レジャーシートを敷きながらマックを食べたいとのこと。
ぼくは休日の外出となると、やたらと遠出をしたがる傾向がある。どうせどこかに行くなら、知らない場所で新しい体験がしたいと極端な思考に走りがち。
だから息子からピクニックがしたいと聞いた時も、「お、じゃあ新宿御苑とか行ってみる? いや、せっかくなら都内じゃなくてもいいかもねえ」とスマホで調べ始めたのだけれど、そんなぼくに対して「○○公園にしよう」と言う息子。え、そんな近くの公園でいいの? 電車に乗ってもいいし、車を出してもいいんだよ?と尋ねたけれど、「ううん、○○公園がいいんだ〜」とのこと。
まあ、発案者はきみだし、そこがいいならそこ行くか〜ということで、自転車を10分ほど走らせることにした。
息子が行きたいと言った公園は、中央に大きな(湖と呼んでもいいくらいの)池があったり、桜並木が数十メートル続く場所があったり、立派な風車が建つチューリップ広場があったりと、確かに景観のよい公園ではある。とはいえ、しょっちゅう遊びに行くし、よく知ってる場所だしなあ…という気持ちを頭の片隅に浮かべつつ自転車のペダルを漕いでいた。
公園に着くと、広場に大勢の人が集まっていた。休日は人で賑わう公園ではあるけれど、それにしても今日はやたらと多いな?と思い様子を窺うと、どうやら地域のお祭りがあるようだ。広場の中央に神輿が鎮座し、その周りは見物人でごった返している。中には法被を羽織った人もちらほらいて、何やら準備に大忙しといった感じ。後方には大きな太鼓が数台並んでいて、撥を手にした人たちが真剣な表情で話し合っている。演奏の段取りを確認しているのだろうか。晴れやかな青空に、神輿の装飾の金色がよく映えていた。
息子の通う保育園は年長児になると太鼓の活動があり、10月の運動会で披露するのが恒例となっている。昨年の運動会で年長さんの演奏を見てから太鼓に興味津々の息子は、「本物の太鼓があるね! これから叩くのかな?」と興奮ぎみだった。
太鼓の演奏が見たいという息子のリクエストに応じて、祭りの様子が見やすい位置にレジャーシートを広げ、テイクアウトしたハンバーガーやポテトを並べていく。なんとなく、普段めったに飲まないコーラを選んでみた。もしかしたら飲むのは数年ぶりかもしれない。ちょっとワクワクする。
朗らかな天気と心地よい気温で、最高のピクニック日和だった。時折さあっと風が吹いて、桜の花びらがはらはら舞う。息子が「風が気持ちいいねー!」と笑いながらハンバーガーを頬張る。妻が息子の頭に乗った花びらをつまみながら、本当だね、と答える。見上げると桜はもうだいぶ葉混じりだった。来週にはすっかり葉桜になっているかもなあ、と思いながら、コーラをひとくち飲む。しゅわしゅわと口の中で炭酸のはじける感覚がなんだか懐かしかった。ふと気が付くと、太鼓の演奏と神輿を担ぐ人たちの掛け声が聞こえてくる。神輿の周辺の熱気と、こちらののんびりした空気のギャップがおかしくて、つい笑ってしまった。
長々と書いてきて結論は実にチープで陳腐な感想ではあるけれど、どんなに通い慣れて見知った場所だとしても、立ち止まって目を向ければ、いろいろな新しさに満ちているのだなあ、と素朴に思ったのだった。
これも息子が「公園でピクニックをしよう!」と発案してくれたおかげだ。
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シャボン玉に大興奮

食事を終えてシートを片付けたあとは、3人で園内をぐるっと散歩して帰路に着いた。自転車のリアシートで息子が「楽しかったね!またピクニックしようねー!」と笑う。そうだね。知ってるけれど知らない、見たことあるのに新しい、そんな景色をまた見つけに来よう。